井上真改または真改国貞

井上真改 (またの名を真改国貞)は、江戸初期、摂津国の刀工で初代国貞の次男。「大坂正宗」と称され大阪新刀を代表する刀工である。寛永七年、日向国の生まれ、本名は井上八郎兵衛良次という。

九歳で京都にいた父・初代国貞に入門、十代後半には突出した技量を示し、二十歳で初代の代作を務め、慶安五年、初代国貞の死去に伴い二十四歳で二代国貞を襲名した。日向国飫肥藩伊東家よりの百五十石を父より相続し、承応元年、和泉守を受領した。

寛文元年、刀剣を朝廷に献上し十六葉菊花紋を茎に入れることを許された。寛文十二年、陽明学者熊沢蕃山より「真改」の称を与えられ、従来の銘「井上和泉守国貞」に加え、「井上真改」と刻銘するようなった。

作風は、直刃で地沸が厚くつく、焼入れは高温で匂い口冴え、刃中もよく沸えて華美である。代表作は、重要文化財「刀 銘 井上真改/菊紋 延宝二二年八月日」個人所蔵。重要文化財「太刀 銘 井上真改」吉備津神社所有。